遠隔地の聴衆を引き付け巻き込むためのテクノロジー

Technology to Immerse and Engage Remote Audiences

disguiseの最高営業責任者であるトム・ロックヒルが、このように変化し続ける時代の中で、拡張現実技術(xR)がどのようにリモート・ワークフローを実現化出来るかご紹介します。

私達は、世界中の人々がコロナウィルスのパンデミックの影響を感じている、他に類を見ない時代に生きています。世界的な感染が急速に拡大したことを受けて、あらゆる業界でこの突然の方向転換に直面するまでは実行可能とは考えていなかったリモート対策を導入しています。これら様々な対策に並行して重要な意思決定者は、デジタル「リモート」な未来で使える新しいやり方を評価し、実施に移す事を迫られています。

ライブイベント、スポーツ、エンターテイメントの分野では、厳しい社会的距離の取り方がもたらす紛れもない現実に直面しています。主要なフェスティバル、テレビ放映されていた人気の授賞式、国や世界的なスポーツイベントの延期やキャンセルは、何千人もの人々の仕事を奪い、すべての関係者は大きな損失を計上しています。このように人口密度の高いイベント産業が突然の停止に追い込まれている中、どのような行動をとって生き残り、この「遠隔」コミュニティにサービスを提供していったら良いのでしょうか?

まず完全に遠隔地にいる10人、100人、1000人の人々をどのように結びつけるのでしょうか?現在、これは世界中の企業、専門学校、大学、教育機関にとって非常に現実的な課題となっています。どんな最善の方法でやったとしても、大多数のビデオ会議システムでは、必要とされる規模とレベルのエンゲージメントを大規模イベントの様に実現する事は出来ません。イベント業界に課せられた課題は、新しい手法を活用して、将来的には自宅でもライブでも視聴者にハイエンドで没入感のある体験を提供する事にあります。

VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)は未来への道であり、その技術はすでに様々な業界で、誰もが最初に考えていた青空のような構想をはるかに超えた方法で活用されています。パキスタン・スーパーリーグの開会式を含む生放送は、史上最長のAR放送の世界記録を更新し、K-POPボーイズバンドのBTSも、ファンのエンゲージメントと機会を最大化するために、スタジアムでのライブでARを使った実験を行っています。

パキスタン・スーパーリーグ開会式

パキスタン・スーパーリーグ開会式

昨今の規制強化を受けて、没入型の体験を家庭に持ち込むことは、これまで以上に重要になってきています。ブランド、企業、放送局は、仕事でも遊びでも、家庭でのコンテンツ消費量が過去最高に達しているこの前例のない時期に、視聴者のために画期的でハイレベルのコンテンツ体験の創造に着手しなければなりません。

disguiseのxR (Extended Reality) のようなイノベーションは、ライブイベントだけでなく、ニュース、スポーツ、eスポーツなどの企業、教育、放送などの分野で、完全没入出来る体験と高度な技術的な機会を創造することを可能にし、制作プロセスを既に変化させています。

BTS「Love Yourself: Speak Yourself」ワールドツアー

BTS「Love Yourself: Speak Yourself」ワールドツアー

xRテクノロジーは、拡張現実(AR)と混合現実(MR)の要素を使用して制作のいくつかの側面を改善する事で、演者や視聴者が周囲のコンテンツを見て対話することを可能にします。カメラのトラッキング、コンテンツのリアルタイムレンダリング、仮想環境の作成を組み合わせたもので、画面上だけでなく、ライブセットやカメラ内でも直接見ることが出来ます。

xRはまた単一の創造性の高い視覚体験を提供する事でチームとテクノロジーのコラボレーションの機会を生み出します。放送局の中では、xRは物理的に小さなスペースの中に無限の環境を作り出すことが出来ます。スペース内のスクリーンはパフォーマンスエリアと同じくらいの大きさであればよく、「バーチャルセットエクステンション」のような機能は、物理的なスタジオの外の環境に俳優を配置することが出来ます。

映画でも同様に、グリーンスクリーンのワークフローへの依存度を低くする事で、ポストプロダクションでの作業の軽減し、前工程で作業する事に重点を置いています。xRにおける混合現実(MR)の目標は、より説得力のある放送と視聴者の関心を高めることであり、現在の危機的状況の中で多くの産業に助け舟となる新技術の分岐点の瞬間に立ち会っています。

今、この業界ではこれまで以上にスキルを磨くことが不可欠です。クリエイティブなコミュニティには、プロジェクトがオンラインに移行する前に、歯を食いしばりながら革新的な技術を試行錯誤しながら始める必要があります。メーカーにとっては、可能な限り多くの方法でコミュニティと共に動き、スキルアップのためのツールを提供することが重要だと考えています。

disguiseでは、今回ご紹介した技術を活用して既に新しいビジネスの芽が生まれているのを目の当たりにしており、自宅にいながらにして、魅力的で没入感のあるコミュニケーション方法を提供すること責任があります。私たちを含むいくつかのクリエイティブブランドは、スタジオや制作会社がARのようなテクノロジーによってもたらされる様々なビジネスの芽を作れるように、xRインサイダープログラムを提供し、将来の仕事に向けた提案作成を支援したいと考えています。

この一生に一度の大流行により、イベント業界は元に戻ることはないだろうという主張が飛び交い、また確かに多くの人々が影響を受ける事は間違いありません。しかし、人間として、消費者として、交流や経験の共有こそが大衆を結びつけるものなのです。それには時間がかかるかもしれませんが、人生のこの一時の終わりには、洞察を通して非常に強力で明確な目標がまだあります - それは単に「いつも通りのビジネス」に戻るのではなく、勢いを取り戻す以上にこの時間を利用して、将来について賢く考え、学び、反芻して、これまで以上に良いビジネスを行うことだと願ってやみません。